
2026年の新レギュレーションについて熱く語らせてください。
正直に言いますと、2026年のF1は「これまでとは全く別のモータースポーツになる」と感じています。
プレシーズンテストの情報を追いかけるたびに、そのインパクトの大きさに驚かされています。
電動化50%時代の衝撃|F1史上最大の技術革新
2026年シーズンから、F1のパワーユニットは劇的に変わります。
これまで内燃エンジン(ICE)が出力の約80%を担っていたのに対し、新レギュレーションでは内燃エンジンと電気モーターが50:50の割合になるんです。
具体的には以下のような変更点があります:
- ICEの出力:550~560kWから400kWに削減
- MGU-Kの出力:120kWから350kWに大幅増加
- 1周あたりの回生エネルギー:約4.2MJから約8.5MJにほぼ2倍
- MGU-H(熱エネルギー回生システム)の廃止
実際に鈴鹿サーキットで観戦した経験から言えば、現行マシンでもMGU-Kのデプロイ(電力放出)音は独特で、ストレートでのスピード差を生む重要な要素でした。
それが3倍近くパワフルになるわけですから、レース展開が根本から変わるのは明白です。
回生ブレーキの満充電問題|ドライバーの新たな悩み
ここからが本題です。
2026年の最大の課題の一つが、回生ブレーキシステムとのバランスなんです。
バッテリーが満タンになるとブレーキが効かない?
MGU-Kの出力が350kWに増強されることで、ブレーキング時のエネルギー回収能力も大幅に向上します。
しかし、ここに落とし穴があります。
バッテリーが満充電に達すると、回生ブレーキが機能しなくなるんです。
もちろんカーボンディスクブレーキは通常通り機能しますが、ドライバーにとっては突然ブレーキフィーリングが変わることになります。
2024年までの感覚で同じブレーキングポイントに飛び込んだら、「あれ?止まらない!」となりかねません。
つまり、この電気ない場合はいつもどおり、ある場合はもっと強く踏み込む(のかどうかはわかりませんが笑)みたいに、考えるべきことが多くなったり操作が複雑になります。
複雑になるという事は、ヒューマンエラーが発生する可能性が高くなったりします。
もちろん、防ぐために満充電にしないようにストラテジーを組み立てるなど、できる事はあるかと思いますが、ドライビングする上では複雑になる事は間違いなさそうです。
また、記事によれば、2026年マシンではリアブレーキの依存度が大幅に下がり、MGU-K回生ブレーキが主力になるとのこと。
もしMGU-Kが故障したり、バッテリーが満充電だったりすれば、突然ブレーキバランスが変化する危険性があるわけです。
エンジニアとの無線が激増する予感
私が鈴鹿で観戦していた時、ピット・エンジニア間の無線のやり取りを聞いていると、「ステイ・アウト」「ボックス・ボックス」といった戦略的な指示が飛び交っていました。
2026年はこれに加えて、
- 「バッテリー残量78%、次のシケインで回生オフにして」
- 「ターン1まで充電、ターン3から放電スタート」
- 「オーバーテイクモード準備、でも電力不足だから待機」
といった、リアルタイムのエネルギーマネジメント指示が常に飛び交うことになるでしょう。
オーバーテイクモードの罠|電力がないと意味がない
2026年から導入される「オーバーテイクモード」(正式にはマニュアル・オーバーライド・モード)は、DRSの代わりとなるシステムです。
このモードは後続車が前方1秒以内に接近すると使用可能になります。
でも、電気がなければ宝の持ち腐れ
ここが重要なポイントです。オーバーテイクモードが使用可能状態になっても、バッテリーに十分な電力がなければパフォーマンスが出ないんです。
去年モンツァで観戦した際、DRSゾーンで一気に抜き去るシーンに興奮したものですが、2026年はそう単純にはいきません。
想定されるシナリオはこうです:
- 後続車が前方1秒以内に接近
- オーバーテイクモード使用可能のサインが点灯
- でも直前の区間で電力を使い切っていた...
- 結局追い抜けない
充電タイミングの戦略が、これまで以上に重要になるわけです。
アクティブエアロ|全車装備だからこそ難しい
2026年から導入されるアクティブ・エアロダイナミクスシステムには、2つのモードがあります:
- Xモード(低ドラッグモード):ストレート向き、空気抵抗を減らす
- Zモード(高ダウンフォースモード):コーナー向き、ダウンフォースを増やす
全車が持っているから優位性は生まれない
現行のDRSは後続車だけが使えるので明確なアドバンテージがありました。
しかし2026年のアクティブエアロは全車が装備しています。
つまり、前を走る車もXモードでトップスピードを伸ばせるし、後ろの車もXモードで追いかけられる。
結局イーブンなんです。
まあ、習熟具合では個人差がでるかもしれませんが、世界トップレベルのドライバーが集まっているF1に於いては、その差は皆無といってよいでしょう。
マニュアル操作によるドライバー負担増
さらに厄介なのが、このアクティブエアロはドライバーがマニュアルで操作する必要があることです。
ドライバーの作業量はこれまで以上に増加するとのこと。
想像してみてください:
- コーナー進入前にZモードへ切り替え
- 立ち上がりでXモードへ切り替え
- 同時にブレーキング、ギアチェンジ、ステアリング操作
- さらにバッテリー残量を気にしながらオーバーテイクモードの判断
人間の処理能力の限界に挑戦していると言っても過言ではありません。
※自動で動作させる案も検討中との事ですが。。。真相はどうでしょう???
予選でもリフト・アンド・コースト|信じられない現実
これが一番衝撃的でした。
2025年までのF1では、決勝レースで燃料やタイヤを節約するために「リフト・アンド・コースト」(アクセルを緩めて惰性走行すること)が使われていました。
しかし2026年は、予選でもリフト・アンド・コーストが必要になる可能性が高いんです。
予選でも電力管理が必要になり、これまでにない方法でパワーをマネジメントする必要があるとのこと。
予選フルアタックの終焉?
私たちファンが大好きな予選のフルアタックラップ。
エンジン全開、全てを賭けた1周のスリル。
それが変わってしまうかもしれません。
- セクター1でフルパワーデプロイ(電気放出)
- セクター2でリフト・アンド・コーストして充電
- セクター3で再びフルパワー
こんな区間ごとの電力配分戦略が、予選でも求められるわけです。
燃料でバッテリーを充電する新戦略
もう一つ興味深いのが、Williams F1チームが研究している戦略です。
2026年のF1では、1周を走り切るために必要な電力を確保するため、コーナリング中にも燃料を燃やしてバッテリーを充電する必要があるかもしれないとのこと。
エネルギー変換の複雑さ
つまり、以下のようなエネルギーフローが発生します:
- 燃料(化学エネルギー)→ ICEで燃焼
- ICEの機械エネルギー → MGU-Kで電気エネルギーに変換
- バッテリーに蓄電
- 必要な時に電気エネルギー → MGU-Kで機械エネルギーに変換
- 推進力として使用
このプロセスをリアルタイムで最適化するのが、エンジニアとドライバーの仕事になります。
燃料搭載量にも関わってくるので、どちらが正義かは実際走って判断するとういう話になってきますね。
燃料を積むと遅くなるし、回生電力が慢性的に不足するのであれば、車体が重くなっても仕方ないというか。。。
どの区間で充電・放電するか|サーキット別攻略法
ここからは、具体的な戦略について私の考えを述べていきます。
鈴鹿サーキットの場合
私が何度も訪れた鈴鹿で考えてみましょう。
充電推奨区間:
- スプーンカーブ:長い減速区間で回生ブレーキ最大活用
- シケイン(カシオトライアングル):ハードブレーキングで効率的に充電
- ヘアピン:低速コーナーへの強いブレーキング
放電推奨区間:
- 1コーナー立ち上がりからダンロップカーブまで:長い登り坂を電力でカバー
- 130R進入前:高速コーナーへの侵入速度を電力で稼ぐ
- シケインからメインストレート:オーバーテイクチャンスで全開放電
モナコのような市街地コースでは
モナコのような低速テクニカルコースは、実は2026年レギュレーションに向いているかもしれません。
- 頻繁なブレーキングで回生充電のチャンスが多い
- ストレートが短いので電力消費が少ない
- コーナー立ち上がりで電動パワーのトルクが活きる
逆にモンツァのような高速サーキットは、長いストレートで電力を使い切ってしまい、充電機会が少ないため、かなり厳しい戦いになりそうです。
電力を無駄に使わないテクニック
最後に、ドライバーとエンジニアが習得すべき「電力節約テクニック」について考察します。
1. スリップストリーム走行の再評価
従来、クリーンエア(乱気流のない空気)での走行が速いとされてきました。
しかし2026年では、あえてダーティエアを利用する戦略が有効かもしれません。
ダーティエア下での走行が、エネルギーマネジメント戦略の中核を担う可能性があるとのこと。
前車のスリップストリームに入ることで:
- 空気抵抗が減少
- 電力消費が減少
- バッテリー温存
2. コースティング距離の最適化
コーナー進入時、どこでアクセルを離すかが重要になります。
- 早めに離せば:回生充電時間が長くなるが、ラップタイムが落ちる
- ギリギリまで踏めば:ラップタイムは速いが、充電量が少ない
このトレードオフを見極めるのが、速いドライバーの条件になるでしょう。
3. バッテリー温度管理
バッテリーの充放電効率は温度に依存します。
レース序盤で無駄に電力を使いすぎてバッテリーを加熱してしまうと、後半戦で充電効率が落ちる可能性があります。
逆に冷えすぎても性能が落ちます。
適温範囲を維持しながらレースを進めることが、完走のカギになります。
まとめ|2026年F1はドライバーとエンジニアの真価が問われる
2026年のF1は、単純な速さだけでなく、エネルギーマネジメントの巧みさが勝敗を分けることになるでしょう。
私がサーキットで観戦する時、これまでは純粋にバトルとスピードに興奮していました。
しかし2026年からは、「今このドライバーは充電してるのか?放電してるのか?」「次のオーバーテイクのために電力を温存しているのか?」といった、見えない戦略を想像する楽しみが加わります。
ある意味、F1がゲーム的な戦略性を持つようになるとも言えます。
それが良いか悪いかは賛否両論あるでしょうが、少なくとも「頭脳戦」の要素が格段に増すことは間違いありません。
場合によっては「モナコ」でのレースにスパイスを加え退屈な展開から革新的なレースになる可能性や、ダーティー・エアで走る事に意味を持たせる事ができる可能性などが考えられます。
2025年までは存在意義や意味がなかった、もしくは悪手、セオリーではない事に対して、理由のある行動に昇華させる可能性を秘めていると考えると本当にわくわくします。
最初のレースを見るまでは正直不安もありますが、新しい時代のF1がどんなレースを見せてくれるのか、今から楽しみで仕方ありません!
皆さんは2026年F1、どう思われますか?コメントで教えてください!