
はじめに:F1が再び「エンジン戦争」の時代へ
今日は、2026年シーズンから始まる新しいパワーユニット(PU)規則について、詳しくお話しさせていただきます。
正直に申し上げますと、この2026年規則変更を調べれば調べるほど、私の中で「これって完全に1980年代ターボ時代の再来じゃないか!」という思いが強くなってきたんですよね。
もちろん技術的な内容は全く異なりますが、各メーカーが独自の解釈で技術開発に挑むという「戦国時代的な雰囲気」が、あの伝説のターボ時代とものすごく似ているんです。
今回は、その魅力と課題について、個人的な感想も交えながら深掘りしていきたいと思います。
なぜ2026年規則は「1980年代ターボ時代」と似ているのか
1. メーカー数の増加とバラエティの復活
まず最も象徴的なのが、パワーユニットメーカーの数の増加です。
2026年からF1に参入・供給するメーカーは以下の5社(6ブランド)になります:
- メルセデス(メルセデス、マクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌに供給)
- フェラーリ(フェラーリ、ハースに供給)
- ホンダ(アストンマーティンに供給)
- レッドブル・パワートレインズ/フォード(レッドブル、レーシングブルズに供給)
- アウディ(アウディチームに供給)
これ、まさに1980年代のターボ時代を彷彿とさせるんですよ。
当時はルノー、ホンダ、BMW、フェラーリ、ポルシェ(TAGブランド)など、複数のメーカーが独自のターボエンジンを開発して戦っていました。
各社が全く異なるアプローチで技術開発を進め、それぞれが独自の強みと弱点を持っていたんです。
2. 規則の複雑性と技術解釈の幅
2026年のパワーユニット規則は、F1史上「最大規模の改定」と言われています。
具体的な変更点を見てみましょう:
パワー配分の革命
- 現行(2025年まで):エンジン出力80% vs 電気モーター20%
- 2026年から:エンジン出力50% vs 電気モーター50%
これってとんでもない変革ですよね!MGU-K(運動エネルギー回生システム)の出力が、なんと120kW(約161馬力)から350kW(約469馬力)へと約3倍にも増加するんです。
圧縮比の引き下げ
- 従来の18:1から16:1に引き下げ
- 100%持続可能燃料(e-fuel)の導入
この圧縮比の変更、実は開幕直前まで議論が続いていて、メーカー間で解釈が分かれているんですよね。
ホンダとアストンマーティンも「議論」があることを認めています。
個人的な感想を言わせていただくと、この「規則の複雑さゆえに各メーカーが異なる解釈で開発を進めている状況」こそが、1980年代ターボ時代に最も似ていると感じる点なんです。
当時も、ターボの過給圧制限やブーストコントロール、燃料制限など、新しい規則が次々と導入されましたが、各メーカーの解釈とアプローチは全く異なっていました。
ホンダが予選で1500馬力を叩き出していた一方で、他のメーカーは信頼性に苦しんでいた...そんな時代を思い出します。
3. MGU-H廃止の衝撃
2026年規則で最も大きな変更点の一つが、MGU-H(熱エネルギー回生システム)の廃止です。
MGU-Hは2014年から搭載されているシステムで、排気ガスのエネルギーを回収してバッテリーに蓄えたり、ターボチャージャーを駆動したりする役割を果たしていました。
これを失うことで、エンジニアたちは全く新しいアプローチでパワーユニットを設計する必要があるんです。
HRC(ホンダ・レーシング)の角田哲史LPL(ラージプロジェクトリーダー)も、「難しさという点では、もう全部です」とコメントしています。
この「ゼロから設計し直す」という状況も、1977年にルノーがF1界にターボエンジンを持ち込んだ時の状況に似ていますよね。
当時、誰もターボエンジンの正解が分からず、各メーカーが手探りで開発を進めていました。
1980年代ターボ時代の「狂気」を振り返る
ここで少し、1980年代のターボ時代がどれほど「狂気的」だったかを振り返ってみましょう。
予選1500馬力の世界
1980年代中盤から後半にかけて、特にホンダやBMWのターボエンジンは予選仕様で1400〜1500馬力を発揮していたと言われています。
わずか1.5リッター(ホンダ)や1.5リッター(BMW)の排気量から絞り出された数字なんですよ!
元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガー氏は、「加速は象に蹴飛ばされたかの如く凄かった」と表現しています。
想像してみてください。
コーナーを立ち上がってアクセルを全開にした瞬間、1500馬力が背中に襲いかかってくる感覚...考えただけでゾクゾクしますよね。
ホンダの16戦15勝という伝説
1988年、ホンダエンジンを搭載したマクラーレンは、全16戦中15勝という驚異的な記録を樹立しました。
これは史上最も支配的なシーズンの一つとして、今でも語り継がれています。
しかし、この圧倒的な強さに至るまでには、ホンダも多くの失敗と試行錯誤を重ねていました。
1983年の第2期参戦初年度は、信頼性に苦しみ、完走すらままならない状況だったんです。
この「失敗から学び、技術を磨き上げていく過程」こそが、エンジン開発の醍醐味だと私は思うんですよね。
2026年規則が生み出す「新たな戦国時代」
ホンダの挑戦:アストンマーティンとのワークス契約
2023年5月、ホンダは2026年からアストンマーティンF1チームにパワーユニットを供給するワークス契約を発表しました。
個人的に、これはものすごくワクワクするニュースでした。
ホンダは2021年末にF1から撤退を表明しましたが、わずか数年でのカムバック。
アストンマーティンは現在メルセデスエンジンを使用していますが、2026年からはホンダのパワーユニットに切り替えることで、独自の競争力を追求する道を選びました。
レッドブル・パワートレインズ:自社製造という賭け
レッドブルは2022年から自社でパワーユニットを製造する体制を整え、2026年からはフォードとの技術提携のもと、完全自社製のパワーユニットでレースに挑みます。
本当にすごい決断だと思うんですよ。
従来はルノーやホンダからエンジン供給を受けていたチームが、莫大な投資をして自社でパワーユニットを開発するんですから。
しかも2026年規則は複雑で、開発リスクも高い。
それでも「自分たちの手で勝ちたい」という強い意志が感じられます。
アウディの参入:ドイツメーカーの帰還
もう一つの大きなトピックが、アウディの参入です。
ドイツの名門自動車メーカーがF1に本格参戦するのは、BMWが2009年に撤退して以来、実に17年ぶりです。
アウディは自社でパワーユニットを製造し、ザウバーチーム(2026年からはアウディワークスチームに改名)に供給します。
1980年代にも、BMWが独自の直列4気筒ターボエンジンでF1に参戦し、独特な「パン・パン」というエキゾーストノートで人々を魅了しました。
アウディも同じように、独自のキャラクターを持ったパワーユニットを開発してくれることを期待しています!
2026年規則の「不安要素」と課題
もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。2026年規則には、いくつかの不安要素も存在します。
圧縮比問題:開幕までに解決できるのか
先ほども触れましたが、エンジンの圧縮比を巡る解釈の違いが、シーズン開幕直前まで議論されています。
一部のメーカーは規則の「抜け穴」を見つけ、より高い圧縮比でエンジンを設計しているのではないかという疑惑が浮上しているんです。
もしこれが事実だとすれば、開幕時点で既にパワーユニット間に大きな性能差が生まれている可能性があります。
これは1980年代ターボ時代にもよく見られた現象で、規則の解釈次第で天国と地獄が分かれたんですよね。
100%持続可能燃料(e-fuel)の不確実性
2026年からは、100%持続可能な燃料(e-fuel)が導入されます。
この新しい燃料は、従来のガソリンとは燃焼特性が異なるため、各メーカーは低回転域でも効率的に排気ガスを排出してターボを回す「燃焼効率」を追求する必要があるんです。
しかし、このe-fuelを使った実戦データはまだ限られています。
もしかしたら、シーズン序盤は信頼性問題に悩まされるメーカーが出てくるかもしれません。
これも1980年代ターボ時代と似ていますよね。
当時、各チームは特殊なトルエンベースの燃料を使用していましたが、エンジンブローや燃料系トラブルが頻発していました。
アクティブエアロとオーバーテイクモードの複雑性
2026年規則では、アクティブエアロ(可変式空力パーツ)とオーバーテイクモード/ブーストモードという新しいシステムが導入されます。
これらのシステムは、ドライバーのマニュアル操作とチームの戦略が絡み合う複雑なものになりそうです。
正直、最初のうちは「システムを使いこなせるチーム」と「使いこなせないチーム」で差がつくような気がしています。
個人的な期待と予想
ここからは、完全に個人的な期待と予想をお話しさせてください。
ホンダの「リベンジ」に期待
私、実は2021年末のホンダ撤退のニュースを聞いた時、本当にショックだったんですよ。
レッドブル・ホンダがチャンピオンを獲得した直後の撤退でしたから、「なんで今なの?」って思いました。
でも、2026年のカムバックが発表された時、「やっぱりホンダはF1が好きなんだな」って感じたんですよね。
そして今度は、全く新しい規則のもとで、1980年代のような「ホンダ無双」を再び見せてくれるんじゃないかって期待しているんです。
アストンマーティンとの組み合わせも面白いですよね。フ
ェルナンド・アロンソ選手がまだ現役を続けているなら、アロンソ×ホンダという夢の組み合わせが実現するかもしれません(マクラーレン時代はうまくいきませんでしたが...)。
メルセデスの「巻き返し」
メルセデスは2014年のハイブリッド時代幕開けから2020年まで、7年連続でコンストラクターズチャンピオンを獲得した絶対王者でした。
しかし、2022年以降はレッドブルに王座を明け渡しています。
2026年の新規則は、メルセデスにとって「リセットのチャンス」だと思うんです。
彼らには豊富なハイブリッド技術の経験があり、特に電動化技術には強みがあります。
電気モーターの出力が3倍になる2026年規則は、メルセデスにとって有利に働く可能性が高いんじゃないでしょうか。
フェラーリの「安定性」
フェラーリは、F1創設以来ずっと参戦し続けている唯一のチームです。
彼らはどんな規則変更にも対応してきた実績があります。
2026年規則でも、フェラーリはおそらく「手堅い開発アプローチ」を取ってくるんじゃないかと予想しています。
派手なギャンブルはせず、確実に性能を積み上げていく...そんなフェラーリらしい開発が見られそうです。
アウディとレッドブルの「新規組」
一方で、アウディとレッドブル・パワートレインズは、パワーユニット製造においては「新規組」です。
正直に言うと、最初の1〜2年は苦戦するんじゃないかと思っています。
1980年代にホンダがF1に再参戦した時も、最初の2年間は信頼性に苦しみました。
技術的なノウハウを蓄積するには、どうしても時間が必要なんですよね。
中長期的には、十分に競争力を持つ可能性があると思います。
押さえておきたいポイント
Q1: 2026年F1のエンジンはターボですか?
はい、1.6リッターV6ターボエンジンが継続されます。
これは2014年から使われている形式ですが、2026年からは電気モーターの出力が大幅に増加します。
Q2: 2026年からF1に参入する新メーカーは?
アウディが新規参入します。
また、レッドブル・パワートレインズ(フォードと提携)も実質的な新メーカーです。
Q3: ホンダは2026年に復帰するのですか?
はい、ホンダは2026年からアストンマーティンF1チームにパワーユニットを供給します。
ワークス契約での復帰です。
Q4: 1980年代F1ターボ時代の最高馬力は?
予選仕様では1400〜1500馬力に達していたと言われています。
特にホンダとBMWのエンジンが高出力で知られていました。
Q5: 2026年F1で最も注目すべき変更点は?
電気モーター出力の3倍増加(161馬力→469馬力)と、MGU-Hの廃止が最も大きな変更点です。
まとめ:新時代の「パワーユニット戦争」が始まる
長々と語ってしまいましたが、2026年のF1は間違いなく「新時代の幕開け」になると確信しています。
1980年代のターボ時代がそうだったように、各メーカーが独自の技術と哲学でパワーユニット開発に挑む姿は、F1ファンにとって最高のエンターテインメントになるはずです。
もちろん、初年度は混乱もあるでしょう。
性能差が大きすぎて、レースがつまらなくなる可能性もゼロではありません。
でも、それもまた「技術開発の醍醐味」なんですよね。
1980年代、ホンダは最初苦戦しましたが、最終的には16戦15勝という伝説を作りました。
2026年以降も、どこかのメーカーがそんな「伝説」を作ってくれることを期待しています。
皆さんは、どのメーカーのパワーユニットが2026年を制すると思いますか?ぜひコメント欄で教えてくださいね!
それでは、2026年シーズンの開幕を楽しみに待ちましょう!