モータースポーツ

「シムは遊び」と笑う時代は終わった。現役F1ドライバーが夜な夜なハンドルを握る本当の理由

「シムってさ、結局ゲームでしょ?」

昔は私も、どこかでそう思ってました。
正直に言うと、ハンコン(ステアリングコントローラー)を机に固定してドヤってる友人を見て「沼、入ってんなあ」くらいのテンションだったんです。

でも、いまは空気が完全に変わりました。

というか、「変わったのは“シム側」じゃなくて「現実のレース側」なんですよね。

気づけば、現役トップカテゴリのドライバーたちが、夜な夜なシムリグに座って走ってる。
しかも「暇つぶし」じゃなく、けっこう切実な理由で。

今日はその理由を、私自身の体験(シム沼に片足突っ込んだ話)も混ぜつつ、分かりやすく言語化してみます。

※この記事は「eスポーツ」みたいな広い話より、F1×シムの「実務」に寄せていきます。

モータースポーツ

2026/2/9

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モータースポーツ

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モータースポーツ

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まず結論:シムは「遊び」から「職業スキル」に変わった

いきなり結論なんですが、今のシムは「ゲーム」ではなく、現役レーサーの“練習環境の一部”として成立しちゃってます。

ここで大事なのが、「シムで速い=実車で速い」みたいな単純な話じゃないこと。
本質は、“速さそのもの”より、速さを作る手順にあります。

  • ブレーキをどこで、どれだけ抜くか
  • クリップまでの持っていき方
  • タイヤの温度・路面の変化をどう想像するか
  • 1周の中で「失う時間」を最小化する判断

このへんって、身体感覚は違っても頭の使い方がほぼ同じなんですよね。

現役F1ドライバーが「夜」に走る理由がリアルすぎる

ここ、個人的にいちばん刺さったポイントです。
なぜ夜なのか。理由はロマンじゃなくて、わりと現実的です。

1) 移動とメディア対応で「日中が消える」

F1の週末って、走ってない時間も仕事が詰まりすぎてます。
スポンサー撮影、取材、チームミーティング、フィジカルトレ、移動…で、気づくと1日終わる。

だから「自分の意思で運転できる時間」が残るのが夜。

これ、社会人が筋トレを夜にやるのと同じ構造です。

時間がそこしかない。


2) コースの“予習”が、紙のノートから「走って覚える」に

昔からドライバーはオンボード見たり、コース図に書き込んだりしてました。
でも今は、シムで走って脳に焼くほうが早い。

私も仕事で初めて行く場所、地図を眺めるより一回歩いたほうが覚えるタイプなんですが、まさにあれです。
シムだと「次のコーナーが来る圧」を体感で覚えられるんですよね。


3) レースは「感覚」だけじゃなく「再現性」の勝負になった

ここがいまのモータースポーツの怖いところで、トップ同士の差って、気合や才能というより“再現性の精度”になってきてます。

  • 同じ条件で同じ操作をできるか
  • 微妙に条件がズレたときに、崩れないか
  • 想定外が出たときに、戻し方を知ってるか

シムはこの「崩れない手順」を作るのに向いてるんですよね。


私の体験談:シムを「舐めてた側」ほど、刺さり方がエグい

私も一時期、興味本位でシムを触りました。
最初は軽い気持ちで「まぁ、ゲームでしょ」と。

で、最初の数周で思いました。
これ、運転じゃなくて“運転の反省会”がメインコンテンツだって。

例えば、同じコーナーを3回ミスるとするじゃないですか。
ゲームなら「くそー!」で終わるんですが、シムだとログや感覚で原因が分かってくる。

  • 進入の姿勢が間に合ってない
  • ブレーキ抜くのが早い(または遅い)
  • そもそもラインが欲張りすぎ

で、直して走る。

直らない。

もう一回直す。


これ、完全に練習なんですよ。しかも、めちゃくちゃ疲れる。

私の場合、走行後に手がじんわり痛くなって「あ、これ“遊び”って呼ぶの失礼だな」ってなりました。
集中力の消費がスポーツ寄りなんです。


現役の考え方に寄せる:シムが上達に効く練習メニュー(実体験ベース)

私が遠回りして学んだのは、シムって「周回数」よりも練習の切り方が重要だということです。

1) 1周全部を頑張らない(セクター練習)

全部を一気に良くしようとすると、どこが良くなったか分からなくなります。
だから「この2コーナーだけ」みたいに切る。地味だけど効きます。


2) ブレーキだけ意識する周回を作る

タイムは落ちます。

でも、結果的に伸びます。

「ブレーキ開始」「抜き」「リリースの速さ」だけを見る周回って、フォーム作りに近い。


3) リプレイより先に“言語化”

これ、私の失敗談なんですが、リプレイ見まくると「分かった気」になって走りが変わらないことがあるんです。
走った直後に、まず一言でいいからメモすると変わります。

  • 「進入で待ててない」
  • 「欲張って立ち上がり死んでる」
  • 「ブレーキ残しすぎ」

言語化すると、次の1周で試せるんですよね。


じゃあ「シムは実車と違う」問題はどうする?

もちろん違います。
Gがないし、怖さも違うし、壊したときの現実感も違う。

でも、私が思うに、シムの価値って「実車の代わり」じゃなくて、
実車でしか学べないこと以外を、先に終わらせるところにあるんですよ。

  • ライン取り
  • コース暗記
  • 操作の順序
  • 判断の癖

このへんを事前に詰められるだけで、実車の時間が濃くなる。
現役が夜に走る理由って、ここに集約される気がします。


まとめ:「遊び」じゃない。でも“楽しい”のが厄介

「シムは遊びじゃない」って言うと、ストイックで硬い話に聞こえるんですが、
いちばん厄介なのはここです。

ちゃんと練習なのに、普通に楽しい。
だから夜にやっちゃう。

気づいたらハンドル握ってる。


現役ドライバーが夜な夜な走るのも、
「仕事だから」だけじゃなくて、たぶんこの“厄介さ”込みなんだろうなと思ってます。

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F1用語豆知識

ダーティサイド

スタート位置のうち、普段マシンが走らない側の路面です。

砂やタイヤのカスが溜まっており、蹴り出しのグリップが弱いため、偶数順位(または奇数順位)のドライバーにとって不利なスタート条件となります。

  • この記事を書いた人

すけろく

F1テクノロジー&未来予測アナリスト

【自己紹介】 F1を「世界最高峰の技術博覧会」として愛するモータースポーツ・マニア。 2026年の新レギュレーション導入に伴う勢力図の変化や、パワーユニット(PU)開発競争、ドライバー市場の裏側を独自の視点で徹底考察しています。 ニュースの速報だけでなく、「なぜそうなったのか?」「次はどうなるのか?」という深掘り記事をお届けします。当ブログ「QOLUP.tech」では、F1を通じて週末の質(Quality of Life)を高める情報を発信中。

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